腸内フローラが素肌美人を作る!?

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“この野菜が美容に良い”などよく耳にしますよね? 実は美容に良いと言われている食べ物も、『腸内フローラ』によってその“美容効果に大きな差”が生まれているかもしれないのです。

前回のコラムでは健康と腸内フローラにまつわるお話を中心にしました。今回は美容にまつわる研究をご紹介いたします。

 

■ 美容に影響する腸内フローラ

みなさん“エクオール”ってご存知ですか?

エクオールは腸内細菌の働きで大豆イソフラボンから作られる成分です。女性ホルモンに似た成分で、肌のコラーゲン生成を促進し、ハリのある肌へと導いてくれたりと女性には嬉しい効果があります。

特に女性ホルモンが減少する閉経後の女性にはエクオールは非常に有益な働きをします。例えば閉経後の女性の悩みで多い骨密度の減少には女性ホルモンが大きく関わっています。エクオールの摂取で閉経後の骨密度減少が軽減されるなどの研究報告があります。エクオールは美容だけでなく健康のためにも、とても有益な成分です。

大豆イソフラボンも女性ホルモンに似た成分ですが、エクオールの方が効果が高いと言われています。つまり大豆イソフラボンが腸内でエクオールに変換されることが“美容効果を最大限引き出す”ことにとって重要なのです。

しかしエクオールを作る腸内細菌を持つ日本人は約40%程度しかいないと言われています。つまり同じ大豆を食べても、腸内フローラの違いで美容効果に差が生まれてしまうのです。

 

■ ニキビとアクネ菌

青春のシンボルともいわれるニキビ、その原因とされるアクネ菌。実はアクネ菌は若者だけでなく、“大人になっても肌の健康”に大きく関わっているのです。

最新の研究で、アクネ菌は、“善玉アクネ菌”と“悪玉アクネ菌”に分類できる、つまり善玉アクネ菌はニキビの原因ではなく、むしろヒトの肌に必要なのではないかと議論が始まっています。

善玉アクネ菌は皮脂を分解し、肌の保湿に寄与するグリセリンを生成するなどの働きがあり、ヒトにとって有用な菌であることがわかってきています。一方で悪玉アクネ菌が炎症を引き起こし、ニキビの原因となっているようです。

ニキビを治す・予防するためにはアクネ菌を殺菌するというのが一般的でしたが、現在では善玉アクネ菌を残しつつ、悪玉アクネ菌だけを殺菌するという考え方に基づいた研究も進んでいます。大人になっても善玉アクネ菌を上手く育てることで、肌を健康に保つことができるのです。

このようにフローラというものは、肌の上にも存在していて、一般的にスキンフローラと呼ばれています。このスキンフローラもまたヒトを守ってくれているのです。

腸だけでなく、肌にもフローラがいて、このフローラが健康、美容に大きく関わっています。

フローラを上手くデザインすれば、健康に美しく年齢を重ねることができるのではないでしょうか。

【参考文献】Sorel Fitz-Gibbon, Journal of Investigative Dermatology (2013) 133, 2152–2160;

 

※関連コラム「腸内フローラは健康体質のパラメーター」

 

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筆者紹介:

株式会社桃谷順天館 桃谷総合文化研究所 研究員 松田達也

大学院では農学研究科で分子生物学を専攻。
入社後は、腸内フローラなど「ヒトと細菌との共生」に着目した研究を行っている。

株式会社桃谷順天館HP はこちら
http://www.e-cosmetics.co.jp/