在宅介護と介護施設

投稿日: カテゴリー: 介護
在宅介護と介護施設

いざ介護となったとき、在宅介護の場合と介護施設にお願いする場合とがあります。家庭の事情や状況などで選択していくことになりますが、どんな選択肢やオプションがあるのかざっと把握しておきましょう。

 

1.在宅介護の場合

 

1.1 在宅介護支援センター

地域ごとに在宅介護支援センターがあります。ここでは概ね65歳以上の介護者、要介護者や、家族を対象に各種支援、サポート、相談、情報提供を無料で行っています。

在宅介護支援センターの提供する主なサービス

1) 介護や生活支援に関する様々な相談および情報提供
2)地域の高齢者の実態把握
3)保健福祉サービスの利用申請受付や申請手続きの代行

 

1.2 デイサービスとショートステイ

いわゆる「デイサービス」と呼ばれる通所の介護施設には、機能訓練(リハビリ)施設や入浴施設など様々な施設があり、一般的には日替わりで利用が可能です。

費用はサービス費用の自己負担分のほかに、食事代、リクリエーション代が自己負担。施設利用料は介護度によりますが、1割負担であれば、概ね1000円前後です。

在宅介護をされている方、一人暮らしの方、家族が働いている方の要介護者が通所されています。週1回からリハビリもかねて参加ができます。

一方、「ショートステイ」は、自宅で介護する方の負担軽減や、どうしても介護が難しい時期などに短期で利用できる宿泊を兼ねた施設です。

法事や結婚式、家族の病気や入院、あるいは介護疲れを避けるための旅行などにも利用が認められています。在宅介護者負担軽減が目的のため、割安価格で提供され、こちらの費用も一日1000円以下で済むようになっています。

 

1.3 住環境を整える

在宅介護に伴い、家の改修補助、様々な福祉用具の貸与や購入の補助などの支援があります。

■ 自宅改修
手すりの取り付け、引き戸への交換、段差解消、トイレの洋式化など
事前にケアマネージャーに相談して、申請を行う(上限20万/ひとり1回限り 1割負担)
※上限に行かなかった場合は限度額まで翌年以降でも利用できる。
転居や要介護者の介護が3段階以上上がった場合は再度申請が可能。

■ 福祉器具購入補助
指定業者からの購入により保険適用となる。1割負担 上限10万円/年
腰掛便座、入浴補助用具、簡易浴槽、移動用リフトのつり具の部分 など

■ 福祉用具の貸与
介護用ベッド、車いす、床ずれ防止用具、スロープ、歩行器、杖、徘徊感知機器等のレンタルを低額で貸与

 

1.4 その他

自治体によっては、介護保険サービスを利用せずに要介護4~5の方を自宅で1年以上介護された家族に対し、介護慰労金として10~12万円が給付される場合もあります。ただし給付条件は厳しく、だれでももらえるわけではありません。

 

2. 介護施設

 

2.1 介護施設の概要

介護や本人のニーズにより、元気なうちから入れる住宅から、要介護3以上の重い介護者用の施設まで様々な種類の施設があります。

どういう施設を利用するのか、要介護者の病状や家庭の状況、今後の見通しを考えて検討していくことになりますが、ケアマネージャーが相談にのってくれます。尚、施設の事前見学は必ず行いましょう。できれば本人も一緒に行けると良いでしょう。

最近は様々なタイプの介護施設ができています。下記の一覧(表1)では規定できないサービスを提供している施設もあります。

民間企業も多いため、1件1件内容や料金が異なりますので、お近くの施設を比べてください。また、ネットなどで料金比較や評判などを集めているものもありますので、しっかり調べましょう。

 

 

介護施設一覧
表1.介護施設一覧

 

2.2 介護施設の特徴

■ 住居型有料老人ホーム

一般的に生活支援や食事、レクリエーション、緊急時の対応が主なサービスです。

介護が必要な場合は外部の訪問介護や通所介護を利用します。施設によっては充実した介護サービスを提供するところもありますが、入居一時金が必要です。

また、施設により設定が異なりますが、規定の年数以内に退去したり亡くなられた場合には一定の割合の残額が親族に返金されるなど償却期間と率が決まっています。

元気なうちから入ることができ、単身高齢者などが多いようです。

 

■ サービス付き高齢者向け住宅

軽度の要介護までとされ、医療依存度が高くなったり寝たきりになった場合には退去要因となりますが、施設によっては重度の要介護者や認知症にも対応している所もあります。

入居一時金が必要なところもあり、また、介護は外部サービスを利用するため別途契約などが必要となります。施設によって個室タイプや相部屋タイプなど様々です。

 

■ 介護付き有料老人ホーム

自立から要介護5まで幅広く受け入れる施設もあれば、要介護のみの所もあり、施設により様々です。入居一時金が高く、その分充実したサービスが受けられます。

月額費用も介護度により多額になっていきます。元気な時から入れるところもあるため、自由度が高い分リクリエーションなども充実しています。

入居金がない支払い方法もあり、その場合には月々の支払いが高額になります。(数百万円から数千万の入居金を支払った場合は月20万円程度ですが、入居金がゼロ円の場合は月40万円ほどかかるイメージです。尚、これは介護保険を使用した後の差額になります)

 

■ グループホーム

要支援2から要介護5までが対象です。認知症の診断を受けていることと、住民票のある地域での入所が原則です。

日常生活をしながらグループ単位で家庭的な雰囲気の中、共同生活を行う形のため、共同生活が難しくなり、医療行為が必要となると退去しなければなりません。

 

■ 介護老人保健施設

要介護1~5の認定を受けた65歳以上で入院治療の必要がないことが入所の条件で、通所や短期入所対応もあります。

在宅復帰を目的にリハビリを行う施設のため、数ヶ月から半年が目途、最長1年程度で退去になります。老人ホームに入る準備のための位置づけもあり、退去後は自宅に戻るか他の施設に入ることになります。

費用が安いので順番待ちが多く、順番待ちが長い所もあります。
最近は在宅復帰率を数値化しており、施設選びの信頼性と期待値の指標となっています。

 

■ 特別養護老人ホーム

介護度が高く自宅での介護が困難な重度の人が優先の施設です。(要介護3以上でないと入所は難しい) 介護者がいない、病気など難易度の高い人が優先されるため、順番待ちが続き、入所までかなり長く待たされます。

 

■ 介護療養型医療施設

胃瘻や経管栄養などの医療行為が必要な重度な介護者が入居する施設です。長期療養型施設ですが、病院で症状が落ち着き、医療行為より介護行為が多くなると自宅や老人施設に移送されます。病院の延長線上に位置づけられています。

 

3.成年後見人

介護施設に本人が入所するつもりがない状況でも、実際にはお願いせざるを得ないこともあります。施設に入る約半分くらいは要介護者の同意なくして(認知症でわからないなど)入所をお願いするケースと言われています。

費用については要介護者の年金と介護保険で埋めますが、埋まらない場合は預貯金を取り崩し、場合によっては家屋敷を売って、その費用を賄うこともあるのが現実です。

認知症などで判断ができない場合は親族や弁護士などが成年後見人になって、家屋敷を売却して入居費用に当てるケースもあります。(但し、施設によっては状況の変化で退去を命じられるところもあるため、家屋敷の売却には慎重を期することが望ましいです)

また、自宅を賃貸などに出して、その賃料を入居費用に充てることも可能ですが、いずれにせよ本人の自覚がない場合には成年後見人が必要になります。

成年後見人は、本人の判断能力が不十分になったときに、あらかじめ結んでおいた任意後見契約にしたがって、契約や財産の管理などの行為を行います。

 

出典:クロワッサン「特別編集 身内に介護が必要な時の手続き 最新版」
マガジンハウス   2017年5月10日発行